リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜




雫が人の話を遮ってまで自分の話を切り出すのは珍しいかもしれない。





「へっ?…うん。別にいいよ。」





胡兎も私と同じように思っていたのか目をパチクリさせて、キョトンとしながら了承した。





ひと息つくと、雫と向かい合って座っていた私達二人を見据えて言った。







「私、和哉君と別れようと思う。」







突然の予想だにしない宣言に、私はあ然として何も声が出せなかった。




もちろん胡兎も。







「はぁ?何言ってんの…。」







数秒の沈黙の後、先に口を開いたのは胡兎の方で、私は引き続き押し黙っていた。





「えっ!?なんでなんで?どうしてそうなる!?あっ、わかった!ケンカでもしたんでしょ?」





捲し立てるように疑問を投げかけた後、冗談めかしてケンカだと茶化す胡兎。



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