リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
それは違う、…私はすぐにそう悟った。
雫は至って真剣な顔をしていた。
つまらない喧嘩ごときで別れるような二人じゃないって私は理解しているつもり。
だから、ショックだった───。
「驚かせて、ごめんね。突然こんな事言ったら勿論どうして?って思うよね。」
申し訳なさそうにそう言って目を伏せる雫に、またもや胡兎が追い打ちをかけるように、ああだこうだと言い出す。
「うん、だからマジでなんでって話!…どうせケンカなんでしょ?それなら私と朱理が仲裁に入るし!!」
「えっ?私も?…っていうか胡兎ってば声がデカいよ。」
別れると言った理由が喧嘩なのだと決めつけた胡兎の声は、段々とトーンが上がってゆき、周りの席にもあきらかにその声が聞こえていると思われた。