リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
栗原さんが控え室から退出すると、響香が淹れたばかりで熱々の紙コップのお茶を運んできた。
「朱理は寒がりだもんね。これで身体を温めて。」
「ありがとう。でも、私より響香の方が全然疲れてるのに気を使わせちゃってごめん。」
紙コップからたちあがる湯気は私達二人の間に流れる空気を優しく癒やしてくれる───。
「ねぇ、朱理。私達が初めて出会った日の事、憶えてる?」
響香のその一言で、まるで走馬灯みたいに私の記憶が頭を中を駆け巡った。
十三歳だったあの頃。
ローティーン向けファッション雑誌の専属モデルオーディション。
その会場の入口の前で出会った。
絶対に遅れる事はあってはならないと、予定の集合時刻よりも随分と早く会場に到着してしまった私。