リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
『あの子は無理だと思う。』
辛辣なその一言に、私は呆気(あっけ)にとられ、口はポカンと開けっぱなしにしたまま何も言葉が出てこなかった。
なんでそんな事言うの、…って私が訊く前に響香はその理由を沈んだ声で教えてくれる。
あの女の子はどこの事務所にも所属していない素人同然の子だから、他の大手から来ている子を差し置いて合格する事はまず有り得ないのだと。
でもそこは私だって大手の事務所所属ではないし、このオーデに参加する事が初めての仕事を貰えるかどうかのチャンス。
だから素人同然なのは私も変わらない…って即反発した。
だけど…。
『朱理は何も聞かされてないんだ?』
それがどういう意味なのかわからない。
無言でいる私に響香はお構い無しに話を続ける。