リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜





柊子さんが迎えに来るまでは、まだもう少し時間がある。





外で待つのは寒いし、お茶でも飲みながら時間を潰そうかなってエントランスロビーのラウンジコーナーに行こうとした時、何やら私の耳にしゃがれたガナリ声が聞こえてきた。






「だからさぁ!お宅の編成部長に直接頼まれたからこうやって足を運んで来てるわけよ!“本日は出勤しておりません、次の出社日もわかりません。”じゃ話にならないっつうの!!」






…嫌なものを見てしまった。





胸の開(はだ)けた派手な柄シャツにチンピラサングラスのオッサンがインフォメーションのお姉さんに怒鳴り散らしているのだった。





近年こんなタイプの業界人は滅多に見かけなくなったって犬飼ディレクターが言ってた。




でも、あの人も比較的このタイプに近い雰囲気は持っているけど…。



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