リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
早くさっきまで居た撮影場所を探さないと…。
幸い、さっき私を呼び止めた声の主…おそらく踊り場に居たスタッフの誰かが中に入って追いかけてくるなんてこともなく、あたりを見回してもキャットウォークには私以外の人の姿はない。
もしかして、ここは人が立っても良いような安全な場所ではないのでは…。
そんな事を考えて自分の足元を気にしつつ、私は一抹の不安を覚える。
その時───
「不破麗斗さん、入ります!───」
思わず息を飲む。
私が先程見学していた際に、幾度となく聞いたこのスタッフの声。
その声のする方へ、私はキャットウォークの上を小走りで向かう。
自分の胸の心拍数がどんどん上がっていくのがわかる。
あっ…、あそこだ!
スタッフの人だかりと煌々と明るく光る照明。
それからあの部屋のセット。
そこには、もちろん響香と…
あの不破麗斗が佇んでいた───。