リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
写真ではなく実物のその姿が、思っているよりもずっと男っぽいのだと私は気づく。
なのに、写真で見る静止画の、あの圧倒的な目力を持った瞳が揺れ、表情がほんの少し動くだけで、彼の中性的な魅力が顕になる。
今日、このキャットウォーク下で間近から撮影風景を見た時よりも、私はもっとずっと、気持ちが高揚していた。
あの時の興奮とは、また意味合いの違う気持ちの高揚だと…もちろん、自分でもわかってはいる。
「本番いきまーす!」
号令がかかると、例によって響香と麗斗君の側に居たスタッフ達はセットの外に忙しなく出ていく。
この時、私が今立っている所から一番近くに居るスタッフがこちらを振り返るような仕草をしたように見えて、私は今更ながら慌てる。