リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
「事態は結構深刻だと思ってる。実は…事務所の社長やスタッフの連絡にも何も返答が無くて。今、何してるんだろうって…。」
不安を吐露する和哉君の様子に、私も博巳君に会ったことは無いとはいえ、心配が募ってくる。
「あらら。それはまあまあヤバいかもね〜。…あのさぁ、私にちょっと提案があるんだけど。」
再びヘラヘラした顔に戻った胡兎に嫌な予感がする私。
「提案て…何?」
そう尋ねると、胡兎は深刻な顔をしている和哉君を前に、不謹慎にも満面の笑みを浮かべ、こう言った。
「決まってんじゃん!博巳君は朱理を気に入ってるんしょ?だから朱理が今ここに居て、博巳君に会いたがってるから、連絡よこせって、メッセージを送ろう。今すぐ!」
…嫌な予感は、バッチリ当たっていた。