リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜




「えっ。でもまだ博巳君とは連絡つかないままなのに…?」





疑問を口にする私を遮るように浮かれたような声を上げるのはもちろん胡兎。





「全然ムリじゃないし!もう、すぐにでもみんなで会おう!そうしようッ!!」




わかりやすい…。




きっと胡兎は淳平君に会ってみたいだけなんだろうな…。










結局この日はその後、片付けと掃除を少しだけ手伝って、解散する流れになった。




博巳君からの返信を待っていたその間、引っ越しの荷造りは四人で作業すればあっという間に終えてしまい、帰り際にもぬけの殻状態の雫の部屋を見渡すと、その真ん中に、夕方頃に私が買ったオリエンタルリリーの鉢植えがポツンと置かれていて、その様子がなんだかおかしかった。





…でも、雫は私があげたそれを確かに喜んでくれてはいて、和哉君の隣でずっとだんまりだった事に関しては多少のモヤモヤは残っているものの、今日はここに来て良かったんだ、と思えた。




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