リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜





寮から帰宅する帰り道、胡兎と二人で他愛もない話をしていると、後ろから誰かが大声で叫んでいる声が聞こえてきた。




「おぉ〜〜〜〜〜い!!」





振り返ると、こちらに向かって走ってくるのは…





「朱理ちゃん!胡兎ちゃん!…二人とも待って!」





和哉君だった。





凄く足が速いのかあっという間に私達に追いついた彼は、膝を屈(かが)ませ、ゼェハァと息をついている。




「どうしたの!?」




いったい何事かと驚いていると、顔を上げ、また一息つく。




それからこう言った。




「オレは雫の事を本気で守りたいし、応援したいと思ってる。…確かに今はオレは仕事なんかロクに無いし、これからモデルとして羽ばたこうとしてる雫には相応しくないのかもしれない。でも、どうしても雫が大事なんだ。…もちろん朱理ちゃんにも迷惑…もう既にかけちゃってるけど、これからは挽回できるように、頑張るから。」


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