リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜





「え、え〜と。あの、だから私には直接は…」





“関係無い”って言おうとする前に、深々と彼は頭を下げ、それから…





「認めてもらえるように、頑張ります!」





そう力強く宣言して、踵を返し、もと来た道を走り去って行った。






暫くの間、ポカンとその後ろ姿を見つめていた私だけど、段々と、ある感情が自分の中で沸き上がってくるのを感じた。





雫が羨ましい。





だけどそれ以上に、私は嬉しかった。





こんなに真摯な気持ちで向き合ってくれる彼氏が雫にいてくれて。




きっと和哉君になら安心して雫を任せられると思った。





和哉君で、良かった。




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