報復を最愛の君と
フロス国へ
次に目を開けた時に目の前にいたのは、ミルクティー色の髪をした女の子。
キラキラとした黄色い瞳、きれいな顔立ち。
「クラ…?」
姿は全く違うのに、クラだと認識できた。
服は少しボロくなった茶色いワンピース。
昔の服だろうか。
「ヒメア様、心より感謝申し上げます。本当に、本当にありがとうございます…」
深々と頭を下げたクラの背中をさすった。
「ううん。いいんだよ、気にしなくて。ちょっと待ってね、今服を一着出すね」
「は、はい。ありがとうございます!」
私は持ってきたカバンの中に入っていた黒いワンピースをあげた。
意外と動くやすくて気に入ってた服。
まあ、あんまり着る機会なさそうだしあげちゃおう。
「これ着れるかな?って、あらら。そんなに泣かないで〜。ねっ?」
「うう…は、い…」
きっと人間に戻れて嬉しいんだと思う。
私も人間になれるようになって、とても嬉しかったもの。
あの頃の私と同じ。
ーーーーー
「服、ありがとうございました。それと、取り乱してしまってすみません…」
「大丈夫だよ。それじゃあ、そろそろフロス国に向かおう」
私達は荷物を持って立ち上がった。
次にイコロ国に戻ってくるのは、復讐を終える日だ。
それまで母国とはお別れ。
「“聖なる海よ。人魚に力をかしたまえ”」
その言葉に反応して海が盛り上がり、大きな音を立てて完成したのは水でできた船。
透けていて神秘的。
「さあ乗って。私が船を操るから、乗っても溺れないよ」
「おお!さすが姫様です!」
「きれいだね」
そんなことを言いながらソラとスイ、ルナは船に乗った。
それから、私はクラに手を差し出す。
「行こうクラ」
「…っ、はい!」
クラは私の手をとってくれた。
それから2時間ほど経って、フロス国の海岸へついた。
船をもとの海水に戻しておく。
それから、あたりを見まわした。
活気あふれる街並みからは、能力者差別なんてないあたたかい街だと分かる。
明らかに人間ではない見た目をしている人でも、自然に生活をしている様子が見られる。
これがフロス国。
「素晴らしいですね…。こんな場所が存在するなんて」
「そうだね」
クラも感動してるみたい。
能力者差別をする場所で育ったからこその気持ちだろう。
「とりあえず、宿に荷物を預けましょうか。このままじゃ疲れちゃいますよ…」
「そうですね。宿を探すついでに、街もまわりましょうか」
スイのその言葉に、大きくうなずいた。
それから見た街は本当に素晴らしいものだった。
まさに私が憧れていた景色そのもの。
「お、こことかいいんじゃないですか?」
スイがそう指差した場所は、比較的値段も安くて雰囲気のいい宿だった。
確かにここがいいかも。
「私もここがいい!」
「ヒメアが言うなら、俺も賛成」
「私もです!」
「えっと…私も」
満場一致で宿が決まった。
そしてスイとルナは受付をして部屋に荷物を置いてくると言って、行ってしまった。
「残されちゃったね」
「そうだなぁ。あ、俺あそこのパン食べたい。買ってきていい?」
ソラがそう言ったパン屋からは、とても美味しそうな匂いが漂ってきていた。
私はコクっとうなずいた。
キラキラとした黄色い瞳、きれいな顔立ち。
「クラ…?」
姿は全く違うのに、クラだと認識できた。
服は少しボロくなった茶色いワンピース。
昔の服だろうか。
「ヒメア様、心より感謝申し上げます。本当に、本当にありがとうございます…」
深々と頭を下げたクラの背中をさすった。
「ううん。いいんだよ、気にしなくて。ちょっと待ってね、今服を一着出すね」
「は、はい。ありがとうございます!」
私は持ってきたカバンの中に入っていた黒いワンピースをあげた。
意外と動くやすくて気に入ってた服。
まあ、あんまり着る機会なさそうだしあげちゃおう。
「これ着れるかな?って、あらら。そんなに泣かないで〜。ねっ?」
「うう…は、い…」
きっと人間に戻れて嬉しいんだと思う。
私も人間になれるようになって、とても嬉しかったもの。
あの頃の私と同じ。
ーーーーー
「服、ありがとうございました。それと、取り乱してしまってすみません…」
「大丈夫だよ。それじゃあ、そろそろフロス国に向かおう」
私達は荷物を持って立ち上がった。
次にイコロ国に戻ってくるのは、復讐を終える日だ。
それまで母国とはお別れ。
「“聖なる海よ。人魚に力をかしたまえ”」
その言葉に反応して海が盛り上がり、大きな音を立てて完成したのは水でできた船。
透けていて神秘的。
「さあ乗って。私が船を操るから、乗っても溺れないよ」
「おお!さすが姫様です!」
「きれいだね」
そんなことを言いながらソラとスイ、ルナは船に乗った。
それから、私はクラに手を差し出す。
「行こうクラ」
「…っ、はい!」
クラは私の手をとってくれた。
それから2時間ほど経って、フロス国の海岸へついた。
船をもとの海水に戻しておく。
それから、あたりを見まわした。
活気あふれる街並みからは、能力者差別なんてないあたたかい街だと分かる。
明らかに人間ではない見た目をしている人でも、自然に生活をしている様子が見られる。
これがフロス国。
「素晴らしいですね…。こんな場所が存在するなんて」
「そうだね」
クラも感動してるみたい。
能力者差別をする場所で育ったからこその気持ちだろう。
「とりあえず、宿に荷物を預けましょうか。このままじゃ疲れちゃいますよ…」
「そうですね。宿を探すついでに、街もまわりましょうか」
スイのその言葉に、大きくうなずいた。
それから見た街は本当に素晴らしいものだった。
まさに私が憧れていた景色そのもの。
「お、こことかいいんじゃないですか?」
スイがそう指差した場所は、比較的値段も安くて雰囲気のいい宿だった。
確かにここがいいかも。
「私もここがいい!」
「ヒメアが言うなら、俺も賛成」
「私もです!」
「えっと…私も」
満場一致で宿が決まった。
そしてスイとルナは受付をして部屋に荷物を置いてくると言って、行ってしまった。
「残されちゃったね」
「そうだなぁ。あ、俺あそこのパン食べたい。買ってきていい?」
ソラがそう言ったパン屋からは、とても美味しそうな匂いが漂ってきていた。
私はコクっとうなずいた。