報復を最愛の君と
ベルス国へ向かおう
「そっか。王宮に入って天竜と銀狼に会えれば…」
「俺達はベルス国での目標を達成できる」
その言葉にゴクッと息を飲み込んだ。
危険を増やす必要はないのだから、正面から入る必要はない。
スイとソラは人間だから、最低限の時間能力者のフリをできればいいんだ。
「ということで、これから向かおうと思う」
「えっ?もう?」
「ああ。あのユウセイとアヤカ、気狂いの研究者が今も何か計画を進めているだろうからな。モタモタしてる暇はない」
確かに急ぎすぎるのは良くないし、ゆっくりするのも良くない。
私達がカント国のアジトに行かなければ、復讐が始まらないのだから。
「分かった。早急に準備するよ」
その後私達は一度宿に戻り、荷物を全て回収した。
あとは食料と水の確保をして、ベルス国国境付近のバス停まで行くためにバスに乗った。
最初は人が多かったものの、だんだんと減ってきてイスに座れるようになった。
そういえば、バスって初めて乗るな。
そもそも外に出ることはあっても城下町だけだったし。
遠くには行けなかったからな。
そんなこんなで、ベルス国国境付近のバス停についてしまった。
みんなで降りていく。
バスの中にいるのは私達だけだったようだ。
それからあたりを見回すと、街とは全く違う自然に囲まれていた。
山や川、林なんかがあったりして自然豊か。
「ここからは警戒していこう」
そう言われたものの、もう夕方で暗くなる時間帯だ。
みんなはあたりが見にくくなると思うから、夜行性で目のきく私が頑張らないと。
私達は重い荷物を持って移動を開始した。
30分ほど歩くと、大きな門が奥に見えるようになってきた。
しかし今はもう真っ暗で夜。
この時間帯に国内に行くのは難しいと判断して、あの時のように森へと一時的に避難した。
見張も目の届かないところまで来て、私達はホッと一息つく。
そういえば、前もこんなふうにしたな。
「ここなら見張りの目も届きませんね」
「まあでも、警戒するに越したことはないな。相手は能力者で、夜行性の者がいれば見つかる可能性がある」
スイの言う通りだ。
人間相手とはわけが違うから。
「何かあったらすぐ教えるね!私は夜行性の人魚の能力者だし、夜目がきくから!」
「そういえばそうでしたね。任せましたよヒメア様」
「うん!」
私は笑顔でうなずく。
それから、私達は食事をして寝る準備をした。
意外と外で寝るのって、ワクワクしちゃうよね。
風も気持ちいし。
「ヒメア、眠れそう?」
横になって数十分。
やっぱり眠れない私に、ソラが声をかけてくれた。
「あはは…ごめんね。眠れないや」
「俺も」
そう言って、不意に手を握ってきた。
その行動にドキッとする。
心臓がうるさい。
「俺さ、なんか順調すぎるっていうか。怖いんだよね。嫌な予感がして仕方ないんだ」
「…そうなんだね。でも、きっと大丈夫だよ。私達ならなんだって乗り越えられる、そうみんなを信じられるから」
そう言うと、ソラは笑ってくれた。
ソラの笑顔が好き。
だから、ずっと笑っていてほしいな。
いつのまにか私は眠りについていた。
そして、少し遠くで黒い影が動いていた。
「俺達はベルス国での目標を達成できる」
その言葉にゴクッと息を飲み込んだ。
危険を増やす必要はないのだから、正面から入る必要はない。
スイとソラは人間だから、最低限の時間能力者のフリをできればいいんだ。
「ということで、これから向かおうと思う」
「えっ?もう?」
「ああ。あのユウセイとアヤカ、気狂いの研究者が今も何か計画を進めているだろうからな。モタモタしてる暇はない」
確かに急ぎすぎるのは良くないし、ゆっくりするのも良くない。
私達がカント国のアジトに行かなければ、復讐が始まらないのだから。
「分かった。早急に準備するよ」
その後私達は一度宿に戻り、荷物を全て回収した。
あとは食料と水の確保をして、ベルス国国境付近のバス停まで行くためにバスに乗った。
最初は人が多かったものの、だんだんと減ってきてイスに座れるようになった。
そういえば、バスって初めて乗るな。
そもそも外に出ることはあっても城下町だけだったし。
遠くには行けなかったからな。
そんなこんなで、ベルス国国境付近のバス停についてしまった。
みんなで降りていく。
バスの中にいるのは私達だけだったようだ。
それからあたりを見回すと、街とは全く違う自然に囲まれていた。
山や川、林なんかがあったりして自然豊か。
「ここからは警戒していこう」
そう言われたものの、もう夕方で暗くなる時間帯だ。
みんなはあたりが見にくくなると思うから、夜行性で目のきく私が頑張らないと。
私達は重い荷物を持って移動を開始した。
30分ほど歩くと、大きな門が奥に見えるようになってきた。
しかし今はもう真っ暗で夜。
この時間帯に国内に行くのは難しいと判断して、あの時のように森へと一時的に避難した。
見張も目の届かないところまで来て、私達はホッと一息つく。
そういえば、前もこんなふうにしたな。
「ここなら見張りの目も届きませんね」
「まあでも、警戒するに越したことはないな。相手は能力者で、夜行性の者がいれば見つかる可能性がある」
スイの言う通りだ。
人間相手とはわけが違うから。
「何かあったらすぐ教えるね!私は夜行性の人魚の能力者だし、夜目がきくから!」
「そういえばそうでしたね。任せましたよヒメア様」
「うん!」
私は笑顔でうなずく。
それから、私達は食事をして寝る準備をした。
意外と外で寝るのって、ワクワクしちゃうよね。
風も気持ちいし。
「ヒメア、眠れそう?」
横になって数十分。
やっぱり眠れない私に、ソラが声をかけてくれた。
「あはは…ごめんね。眠れないや」
「俺も」
そう言って、不意に手を握ってきた。
その行動にドキッとする。
心臓がうるさい。
「俺さ、なんか順調すぎるっていうか。怖いんだよね。嫌な予感がして仕方ないんだ」
「…そうなんだね。でも、きっと大丈夫だよ。私達ならなんだって乗り越えられる、そうみんなを信じられるから」
そう言うと、ソラは笑ってくれた。
ソラの笑顔が好き。
だから、ずっと笑っていてほしいな。
いつのまにか私は眠りについていた。
そして、少し遠くで黒い影が動いていた。