報復を最愛の君と
宴
「ちょ、ちょっと!!」
「いいからいいから〜」
今私が何をしているかというと、セレストに着物を着せられているところ。
こういう格好がこの国では普通みたい。
着方がわからないと言うと、セレストが着付けると言い出したのだ。
男の子に着付けてもらうなんて、と思いながらもやってもらっている。
ちなみに他のみんなは使用人のみなさんにやってもらってるみたい。
そうして、ようやく私も着付けが終わった。
私の着物は淡い水色のシャボン玉模様で、なんだか豪華?
セレストは藍色の花模様で、帯は黒くてリボン結びをしている。
セランは袴で黄緑色のズボンに白色の羽織り。
他のみんなはというと、普段着のようなものばかりで私達と共通点があまりないつくり。
そういえば今日は宴だって言ってたっけ。
この国の中心は神としてたたえられる三大能力者。
つまり、私たちが主役ってことだろう。
それでこんなにもいい着物なのか、と納得する。
「それじゃ、行ってみよ〜!!」
セレストにつられて、みんなで階段を駆け降りていく。
それから戸を開ければそこには3つの席。
「ヒメアは真ん中ね」
そう言って座らせられる。
それから、セレストがよく響く声で国民に向かって言った。
「みな、集まってくれてありがとう!今日、300年ぶりに人魚が母国へお戻りになった!その仲間達と共に紹介をしよう」
セレストは私にマイクを差し出す。
国民達の視線は私に集まっていた。
緊張が高まる中、私は大きく息を吸い込んで言葉を発した。
「初めまして。私はヒメア・イコロです。よろしく」
そう言うと、すぐに歓声がおきた。
「ヒメア様ー!!」
「おかえりなさい人魚様!」
この国で生まれたわけでも、顔見知りなわけでもないのに。
この歓声を浴びるのはなんだか不思議な気分。
でも、不思議と心はポカポカした。
「ヒメア、他のみんなも紹介してあげて」
セレストに小声で言われてハッとする。
それから、みんなに視線を送った。
「ヒメア、俺にマイクちょうだい」
ソラにそう言われて、私はマイクをわたした。
「初めまして。ヒメアの護衛のソラです」
それからみんなも自己紹介していく。
「どうも。ヒメア様の護衛をさせてもらっています、スイ・ネクサスです」
「ヒメア様のお屋敷で使用人を務めていました、聖女のルナ・ヌベスです」
「ええと、ヒメア様の友人…というか。私はエクラといいいます。クラとお呼びくださいませ」
国民は私以外のみんなも歓迎しているようだった。
その後みんなは国民と混じって食事をしたりしていて、私はセレストとセランに言われて前に出たまま宴を楽しんだ。
みんな楽しそう。
まさか普通に国内に入れるなんて思ってなかったし、予想外すぎる。
だからなのか、目的を忘れそうな気がする。
とその時チラッとクラを見ると笑ってはいるけれど、まるで相手を見定めるような目をしていた。
クラが天竜と銀狼を恨んでるのは知ってるから。
もし三大能力者という立場がある私がクラに何かできることがあるなら、なんでもしてあげたいと思う。
少しでも彼女の心が軽くなるように。
そのためにはセレストとセランに話をしなきゃいけない。
初代人魚をどうして殺したのか、今どう思ってるのか。
今は私の復讐よりも、友人の幸せを願いたいと思う。
「いいからいいから〜」
今私が何をしているかというと、セレストに着物を着せられているところ。
こういう格好がこの国では普通みたい。
着方がわからないと言うと、セレストが着付けると言い出したのだ。
男の子に着付けてもらうなんて、と思いながらもやってもらっている。
ちなみに他のみんなは使用人のみなさんにやってもらってるみたい。
そうして、ようやく私も着付けが終わった。
私の着物は淡い水色のシャボン玉模様で、なんだか豪華?
セレストは藍色の花模様で、帯は黒くてリボン結びをしている。
セランは袴で黄緑色のズボンに白色の羽織り。
他のみんなはというと、普段着のようなものばかりで私達と共通点があまりないつくり。
そういえば今日は宴だって言ってたっけ。
この国の中心は神としてたたえられる三大能力者。
つまり、私たちが主役ってことだろう。
それでこんなにもいい着物なのか、と納得する。
「それじゃ、行ってみよ〜!!」
セレストにつられて、みんなで階段を駆け降りていく。
それから戸を開ければそこには3つの席。
「ヒメアは真ん中ね」
そう言って座らせられる。
それから、セレストがよく響く声で国民に向かって言った。
「みな、集まってくれてありがとう!今日、300年ぶりに人魚が母国へお戻りになった!その仲間達と共に紹介をしよう」
セレストは私にマイクを差し出す。
国民達の視線は私に集まっていた。
緊張が高まる中、私は大きく息を吸い込んで言葉を発した。
「初めまして。私はヒメア・イコロです。よろしく」
そう言うと、すぐに歓声がおきた。
「ヒメア様ー!!」
「おかえりなさい人魚様!」
この国で生まれたわけでも、顔見知りなわけでもないのに。
この歓声を浴びるのはなんだか不思議な気分。
でも、不思議と心はポカポカした。
「ヒメア、他のみんなも紹介してあげて」
セレストに小声で言われてハッとする。
それから、みんなに視線を送った。
「ヒメア、俺にマイクちょうだい」
ソラにそう言われて、私はマイクをわたした。
「初めまして。ヒメアの護衛のソラです」
それからみんなも自己紹介していく。
「どうも。ヒメア様の護衛をさせてもらっています、スイ・ネクサスです」
「ヒメア様のお屋敷で使用人を務めていました、聖女のルナ・ヌベスです」
「ええと、ヒメア様の友人…というか。私はエクラといいいます。クラとお呼びくださいませ」
国民は私以外のみんなも歓迎しているようだった。
その後みんなは国民と混じって食事をしたりしていて、私はセレストとセランに言われて前に出たまま宴を楽しんだ。
みんな楽しそう。
まさか普通に国内に入れるなんて思ってなかったし、予想外すぎる。
だからなのか、目的を忘れそうな気がする。
とその時チラッとクラを見ると笑ってはいるけれど、まるで相手を見定めるような目をしていた。
クラが天竜と銀狼を恨んでるのは知ってるから。
もし三大能力者という立場がある私がクラに何かできることがあるなら、なんでもしてあげたいと思う。
少しでも彼女の心が軽くなるように。
そのためにはセレストとセランに話をしなきゃいけない。
初代人魚をどうして殺したのか、今どう思ってるのか。
今は私の復讐よりも、友人の幸せを願いたいと思う。


