報復を最愛の君と
***


街に近寄った瞬間、いつもと違うことに気がついた。


いつもはにぎやかで、人は少ないけど活気あふれる村だ。


今日はそれが静かだから不自然に感じる。


嫌な気がしてならない。


いつものようにヒメアの家に行き、ドアを開ける。


しかし、誰もいない。


この時間なら、いつもはヒメアの両親がいるはずだ。


一体何が起きているんだ。


その時、風と共に流れてくる薬の匂い。


違和感を覚え、普段は行かない地下室へと行った。


ツンっとする薬の匂いと、生臭い血のような匂いが僕に警告をする。


不安が僕を煽った。


突然、コツコツという革靴の音が後ろから聞こえた。


とっさに体が動き、僕は物陰に隠れた。


「実験体は集まった。あとはこの村の能力者達を運ぶだけだ」


男の声がした。
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