報復を最愛の君と
好奇心と浅はかな行動
ドキン、ドキン。
恐怖と好奇心の入り混じったこの気持ち。
初めて味わう気持ちに、私は少しだけ恐怖していた。
目の前で行われていることに、目を疑った。
まさかカナタが、裏でこんなことをしていたなんて。
信じられない。
怒りが込み上げた。
ーーーーーー
あの後私は部屋に戻り、勉強の続きをした。
何事もなかったようにしなくてはいけなかった。
そんな気がした。
数十分後に、カナタが部屋に来た。
「調子はどうですか姫様?休憩にされては?」
紅茶を持ってきてくれたので、私は休憩を挟むことにした。
カナタからは、先ほどの雰囲気は感じとれなかった。
見間違いなんじゃないかと思った。
それを確かめるように、私はこう聞いた。
もちろん、私が聞いていたことが分からないように。
「ねえ、カナタ。さっきバルコニーに休憩に行ったら、貴方がいた気がしたの。気のせいかな?」
私は首をかしげると、カナタはにっこりと笑った。
「物置に用がありまして」
その瞬間、はぐらかされたと分かった。
答える気がないのだろう。
その時のカナタの瞳の奥には、闇が見えてしまった気がした。
「そっか…。声かければよかったね!」
私もカナタに笑って見せた。
私も普通をよそおった。
カナタにとって、知られたくないことなのだろうから。
『それでは、明日の21時倉庫で待っている』
あの男の言葉が、ふとよぎった。
ーーーーー
好奇心で私は夜、お城を抜け出した。
フード付きローブを着て外に出る。
フードはしっかりと被って。
イコロ国の姫が人魚姫とバレないように、私は城の外へ出ることは禁止されている。
だから、顔を隠す必要があった。
もし城内の者に見つかっても、ごまかせるように。
時計を見ると、今の時刻は20時40分頃。
予定の時間まではまだあるはず。
倉庫というと、城の周りには1つしかない。
目星がついているので、私は倉庫へ歩き出した。
冷たい風が私の頬にあたる。
でも、そんなものは気にする余裕がなかった。
私は倉庫に着き、辺りを見回す。
しかし、特に誰もいる様子がない。
やっぱり昨日の出来事は、夢だったのではないか。
そんなことを思い始めた。
その時、茂みからガサガサという音がした。
まずい、誰か来たのかも。
そう思ってとっさに隠れた。
出てきたのは、白衣を着たカナタだった。
なぜ白衣を着ているのかは分からない。
でも、その姿が好奇心を煽る。
ここで何が行われるのか。
私の考えは浅はかだった。
カナタは私に気が付かずに、倉庫の中へ入っていった。
「昨日ぶりだな」
倉庫に入るなり、そう言ったカナタ。
すでに中に誰かがいたようだ。
おそらく、昨日いた2人だろう。
3人が会話に夢中になっていることを確認して、少し開いている隙間に身をすべらせる。
誰にも気が付かれないように、物陰にひそんで息を殺した。
そして私は、3人の会話に耳を澄ませた。
恐怖と好奇心の入り混じったこの気持ち。
初めて味わう気持ちに、私は少しだけ恐怖していた。
目の前で行われていることに、目を疑った。
まさかカナタが、裏でこんなことをしていたなんて。
信じられない。
怒りが込み上げた。
ーーーーーー
あの後私は部屋に戻り、勉強の続きをした。
何事もなかったようにしなくてはいけなかった。
そんな気がした。
数十分後に、カナタが部屋に来た。
「調子はどうですか姫様?休憩にされては?」
紅茶を持ってきてくれたので、私は休憩を挟むことにした。
カナタからは、先ほどの雰囲気は感じとれなかった。
見間違いなんじゃないかと思った。
それを確かめるように、私はこう聞いた。
もちろん、私が聞いていたことが分からないように。
「ねえ、カナタ。さっきバルコニーに休憩に行ったら、貴方がいた気がしたの。気のせいかな?」
私は首をかしげると、カナタはにっこりと笑った。
「物置に用がありまして」
その瞬間、はぐらかされたと分かった。
答える気がないのだろう。
その時のカナタの瞳の奥には、闇が見えてしまった気がした。
「そっか…。声かければよかったね!」
私もカナタに笑って見せた。
私も普通をよそおった。
カナタにとって、知られたくないことなのだろうから。
『それでは、明日の21時倉庫で待っている』
あの男の言葉が、ふとよぎった。
ーーーーー
好奇心で私は夜、お城を抜け出した。
フード付きローブを着て外に出る。
フードはしっかりと被って。
イコロ国の姫が人魚姫とバレないように、私は城の外へ出ることは禁止されている。
だから、顔を隠す必要があった。
もし城内の者に見つかっても、ごまかせるように。
時計を見ると、今の時刻は20時40分頃。
予定の時間まではまだあるはず。
倉庫というと、城の周りには1つしかない。
目星がついているので、私は倉庫へ歩き出した。
冷たい風が私の頬にあたる。
でも、そんなものは気にする余裕がなかった。
私は倉庫に着き、辺りを見回す。
しかし、特に誰もいる様子がない。
やっぱり昨日の出来事は、夢だったのではないか。
そんなことを思い始めた。
その時、茂みからガサガサという音がした。
まずい、誰か来たのかも。
そう思ってとっさに隠れた。
出てきたのは、白衣を着たカナタだった。
なぜ白衣を着ているのかは分からない。
でも、その姿が好奇心を煽る。
ここで何が行われるのか。
私の考えは浅はかだった。
カナタは私に気が付かずに、倉庫の中へ入っていった。
「昨日ぶりだな」
倉庫に入るなり、そう言ったカナタ。
すでに中に誰かがいたようだ。
おそらく、昨日いた2人だろう。
3人が会話に夢中になっていることを確認して、少し開いている隙間に身をすべらせる。
誰にも気が付かれないように、物陰にひそんで息を殺した。
そして私は、3人の会話に耳を澄ませた。