【12/31引き下げ】クールなパイロットは初心な新妻を身籠らせたい

「明日の夕方の便で帰る予定です。実は今回、シフトを決めるギリギリのところで有給を申請したので、連休が取れなかったんですよね。次回は連休を取ってまた来ます」

　藤川さんの返事に、太田さんが再び口を開いた。

「ねえ、もしかして藤川さん、梢子ちゃんの公休日に合わせて休み取ってきたの？」

「はい。この前、梢子さんから公休日を聞いていたので、それに合わせて来ました」

　その瞬間、太田さんと武田さんが歓声を上げた。

「ちょっと待って、これマジで梢子ちゃんのこと羨ましいんやけど」

「梢子ちゃん、よかったのぅ」

　二人からの冷やかしに、どう答えていいかわからない。
　そんな私に藤川さんが助け舟を出してくれるかと思いきや……

「梢子さん、食事が終わったら、ちょっと散歩しませんか？」

　この言葉に、ますます三人がヒートアップする。

「きゃー、ホント羨ましいったらありゃしない。梢子ちゃん、今度お姉さんたちにじっくりと話を聞かせてよ」

「うわぁ、マジか……。俺の梢子ちゃんが……」

「山中さん、若い二人を見守るのも、私らの役目じゃけん。ただ……、梢子ちゃんを泣かせるようなことがあったら、ただじゃおかんよ」

　三人が盛り上がる中、私は小さく頷いた。

　藤川さんの表情は見えないけれど、「わかりました」と返事する声に、嫌がる素振りは感じられない。

　対する私は顔が熱くなり、恥ずかしくて顔が上げられない。
　きっと今、私、顔が真っ赤になってることだろう。