【12/31引き下げ】クールなパイロットは初心な新妻を身籠らせたい
 その間もキスが止むことはなかった。
 気が付けば、私のシャツのボタンは全開にされ、キャミも胸の上までたくし上げられ、その手は私のブラジャーの上に置かれている。

 ブラジャーのカップをずらされ、中途半端に服を着た状態が藤川さんの劣情を煽り立てたのか、彼は生唾を飲み込んだ。

「綺麗だ……」

 藤川さんはそう言うと、手を放して私のシャツがこれ以上皺にならないよう隣のベッドの上に置く。そして、私の着衣を一枚ずつ、丁寧に脱がした。

 脱がされた服は、先ほどと同様に隣のベッドの上に置かれ、藤川さん自身も自分の着衣を脱いでいく。
 お互いが下着だけの状態になると、藤川さんが何かを思い出したかのようにベッドから移動した。

 どこへ行くのかと視線を向けると、窓辺のカーテンを閉め、戻ってくるとベッド脇に置かれていた荷物の中から、スマホサイズの箱を取り出した。

 それは避妊具で、藤川さんは外側の透明なフィルムを外すとそれをゴミ箱の中に捨て、箱の中からいくつもに連なっているそれを取り出した。

 はじめて目にする避妊具に、私は驚きを隠せない。

 藤川さん、こういうものを携帯しているの……?
 目を見開いている私に、藤川さんは照れ臭そうに口を開く。

「梢子とこんなことができればいいなと思って、気が早いかなと思いながらも用意していたんだけど……。買っておいて正解だったな」

 そう口にする藤川さんに、私への思いやりを感じた。
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