【12/31引き下げ】クールなパイロットは初心な新妻を身籠らせたい
「本当に、痛かったよな。でも頑張ってくれてありがとう」

 藤川さんはそう言って私にキスをすると、立ち上がって寝室を後にする。どうやらそのまま洗面所へ向かったようだ。水道の蛇口を捻ったのか、洗面所から水の流れる音が聞こえる。しばらく音が聞こえていたかと思ったら、何かを洗っているようだ。

 少しして戻ってきた藤川さんの手に握られていたのは、お湯で濡らして絞ったタオルだった。
 力が入らなくて起き上がれない私の体を、藤川さんが温かいタオルで優しく拭きあげていく。

「何から何まですみません……、ホント恥ずかしい……」

 恥ずかしくて両手で顔を覆う私に、藤川さんはそんなことを気にする素振りを見せず、ひたすら私の身体をタオルで拭う。

「大丈夫、これくらいやらせて」

 そう言って、私の首筋から胸元、お腹や下肢を拭い、タオルを折り返すと最後に私の大切な場所を拭いた。

 タオルを私の血で赤く染めることに申し訳なさを感じながらも、されるがままだ。
 ひと通り私の身体を綺麗に拭ってくれると、藤川さんも私の隣に横たわった。そして、自身の腕を私のほうへ伸ばし、腕枕をしてくれた。

 初めての腕枕に緊張する私とは対照的に、藤川さんはとてもリラックスしているように見える。
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