君ともう一度、　恋を始めるために
「それで、ちゃんと話はできたの？」
「それが・・・」

心配そうな顔をした優香に、柚葉は少しだけ視線をそらした。
優香が言いたいのは莉奈の出生について涼に伝えたのかということだろう。
その件については涼もうすうすは気が付いているようだし、柚葉自身も近いうちに話をしなければいけないと思っている。
しかし・・・

「ねえママ、遊んでもいい？」
「いいわよ」

一緒に連れてきた莉奈は注文したポテトに手を付けると、店内のキッズコーナーにある遊具を見つけて遊びに行った。
まだまだ赤ちゃんだと思っていた莉奈も来月で４歳。
この間まで何をするにも柚葉の手が必要だったのに、今では一人で食べて一人で遊んでくれる。
もちろんまだまだ見守りは必要だが、一歩づつ確実に成長している。
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