君ともう一度、　恋を始めるために
「ただいま」

夕方になると、保育園から戻った莉奈がいつものように病室を覗く。

「お帰り、莉奈ちゃん」

涼も笑顔で莉奈を迎えた。

涼が依頼した家事代行サービスは食事や洗濯など身の回りの世話ばかりではなく莉奈の保育園の送迎もしてくれるため、祖母も体をいたわりながらゆっくりと過ごせるようになった。
さすがに夜だけは莉奈をお願いすることになるが、できるだけ莉奈との時間を持ちたいと考えた涼は、保育園から帰ってきた莉奈とともに柚葉の眠る病室で一緒に夕食を取ることにしていた。

「わあ、今日のご飯はオムライスだ」

用意された夕食を前に、莉奈が飛び跳ねた。

「莉奈ちゃん、手を洗ってきて」
「はーい」

嬉しそうにかけていく莉奈を優しく見守る涼。
それは、涼にとっても初めてちる親子の時間だった。
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