君ともう一度、　恋を始めるために
神崎ホテルグループの社長として日本に帰ってきて、涼が真っ先にしたのは柚葉を探すことだった。
４年の月日の中で涼が柚葉のことを忘れることはなく、むしろ思い出さない日はなかった。
離れてしまったからこそ、涼は柚葉のことをどれだけ愛していたのかに気づき、思いは日々募っていった。
だから、日本に戻った涼は金と手段を選ぶことなく柚葉の行方を探した。
下関の実家には毎年手紙を送っていたが一向に返事はなく、日本のどこにいるのかもわからない柚葉を探すのは大変な作業だったが、そのかいあって柚葉らしき人物が映っている京都のタウン誌を手に入れることができた。
その後も調べ続け、なんとか勤め先までは突きとめることができたものの、それ以上のことははっきりしなかった。
しびれを切らした涼は、無理を言って仕事を調整し京都へやってきた。
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