Good day ! 4【書籍化】
9月と12月の身体検査をパスし、翼と舞は翌年1月に行われる第三次試験に進むことが決まった。
第三次試験は面接と飛行訓練装置による操縦適性検査で、試験会場は宮崎にある航空大学校。
宮崎へは、同じく身体検査をパスした翔一と一緒に、野中が操縦するフライトで飛ぶことにした。

「こればっかりは勉強のしようがないし、3人で宮崎を楽しんでくる」

そう言って3人はリラックスした様子で羽田から宮崎へと向かった。
操縦適性検査では、実機を操縦するに当たり姿勢に無理がないかの身長もチェックされるらしかったが、翼は既に大和と同じ180㎝ある。
舞も恵真の血を引いたのか、女子ながら167㎝あり、特に問題もなさそうだった。
シミュレーターを使った操縦の検査では、敢えて翼も舞も対策をせずに臨んだ。
それに今回の受験全体を通しても、大和と恵真に助けを求めたことは一度もない。
他の受験生と同じように自分の力だけで挑戦しようと、翼と舞は受験を決めた時に話し合っていたのだった。

面接では、やはりパイロットを志す理由を聞かれ、その時だけは素直に両親への憧れを口にする。
両親は自分にとって人生の道しるべともいうべき存在だから、と。

無事に全ての試験を終えると、せっかくだからと翔一と3人で宮崎を観光してから東京に戻って来た。

そして2月下旬の最終合格発表。
翼と舞は見事第三次試験を突破、航空大学校への入学が決まった。
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