幼なじみに溺れました
崩れていく心
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次の日の昼休み
凛はいつも通り沙耶と結愛と一緒にお弁当を広げていた
でも今日の空気はいつもと違っていた
教室の端からまた女子たちの視線が刺さってくる
「また見てるよ…」
沙耶が小さく呟く
「ほんといい加減にしてほしい」
結愛も苦笑いしていた
凛は無理に笑って受け流そうとしたけど
次の瞬間 女子たちのリーダー格がわざわざ近づいてきた
「凛ちゃん ちょっといい?」
「…なに?」
「別にさ 悪いこと言いたいわけじゃないんだけど」
「なぎくん ほんと飽きっぽいから」
「……」
「今は面白がってるだけだと思うけど 期待しちゃダメだよ?」
「……別に期待してない」
「ほんと?」
「ほんとに」
女子たちはニコッと笑った
けどその目は全然笑っていなかった
「そっか なら安心だね」
「まあ…すぐ飽きられるから大丈夫か」
ぐさっと刺さるような言葉だった
でも何も言い返せなかった
沙耶がすぐに隣で肩を叩いてくれた
「無視しなって」
「うん…」
でも
胸の奥でザワザワとした何かが膨らんでいくのを感じていた
(…私は 期待してないはずなのに)
放課後
教室を出ようとした瞬間
背後からまた聞き慣れた声が追いかけてきた
「おい」
「…なに」
「またあいつらになんか言われたろ」
「気にしてないって」
「……嘘つけ」
凪はしばらく無言でこちらを見ていた
その視線が いつもより真剣に感じた
「…ほんとに平気ならいいけど」
「……」
「お前 ほんとバレバレだよ」
「は?」
「顔 真っ赤だぞ」
「うるさい!」
凪は笑ってない
でもニヤついてもいない
なぜかその無表情が逆にドキドキさせた
「じゃあな」
手を振って歩き出す凪の背中を
凛は黙って見つめていた
(ほんと わけわかんない)
自分でも整理できない感情が
どんどん膨らんでいくのを止められなかった
そして
気付かないうちに
凛の中の何かが少しずつ 変わり始めていた
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