幼なじみに溺れました
確かな言葉
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放課後の帰り道
今日もいつものように並んで歩いていた
でも凛の胸の中は まだザワザワしていた
さっきの”彼女発言”がずっと頭に残っていた
(…私たちって…ほんとに…?)
自分でも苦しくなるくらい
でも今夜はもう はっきりさせたかった
意を決して口を開く
「…ねえ 凪」
「ん?」
「さっきのさ」
「彼女だって…言ってたけど…」
「…ああ」
「ほんとに…私 彼女でいいの?」
「……」
凪は歩くのを止めて
静かに凛の方に向き直った
「お前さ」
「いつまでそんな不安そうな顔してんだよ」
「だ、だって…」
「今更だけど」
「お前は 俺の彼女だろ」
「……っ」
「…ちゃんと 言ってほしい…」
凪は少しだけ口元を緩めたまま
凛の頭をそっと撫でる
「俺は お前のことが好き」
「だから お前は俺の彼女」
「……」
「文句ある?」
「…文句なんてあるわけない…!」
顔が一気に真っ赤になるのがわかった
心臓もバクバクうるさい
「もう ほんとずるいんだから…」
「お前もな」
凪はそのまま軽く額をコツンとくっつけた
その距離が暖かくて
凛は小さく息を吐きながら そっと目を閉じた
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