幼なじみに溺れました
独占欲限界突破!?
ーーー
それから数日後
凛の中のモヤモヤはずっと収まらなかった
千紗のあの時の表情や言葉が
何度も頭の中でリピートしてしまう
(…ほんとに中学だけ?)
(他に何もなかった?)
(凪のこと考えたら…止まらなくなる…)
その日も放課後
教室の中で沙耶が小声で話しかけてきた
「ねえ凛」
「…なに?」
「実はさ、千紗って子…また学校の近くにいたよ」
「……は?」
「他の女子と一緒に”凪くんまだフリーじゃないかな”とか話してたって」
(は?)
(まだ狙ってんの!?)
ズクンと胸が痛くなる
でも同時に
今までにないくらい腹の底から熱い感情が湧いてきた
(…ムカつく…)
(私のだし…)
(誰にも渡したくない…)
そのまま放課後
昇降口に向かうと
当たり前のように凪が待っていた
「お疲れ」
「…お疲れ」
隣に並んで歩き出す
しばらく沈黙が続く
凪がちらっと横目でこちらを見る
「ん?なんか機嫌悪くね?」
「別に…」
「また嘘」
「……」
「千紗のこと?」
「…なんでわかるの…」
「だってお前 わかりやすいから」
「……」
ここで凛はとうとう口にした
「…私以外と喋らないでよ」
凪は少し目を見開いた後
すぐにニヤッと笑った
「それって…」
「独占欲?」
「…そうだよ!」
言った瞬間
顔が真っ赤になるのがわかった
でももう止まらなかった
「だって…だって…私の彼氏なんだから!」
「他の女が近づくのムカつくし…」
凪は突然立ち止まり
凛の腕をそっと引き寄せた
「…お前ほんと可愛いな」
「可愛くない!」
「めちゃくちゃ可愛い」
「…もう、ずるい…」
「いいよ?」
「そんな風にもっとわがまま言え」
「俺 それ全部受け止めるから」
耳元で甘く囁かれて
心臓が完全に爆発寸前だった
凪はそのまま凛の額に優しくキスを落とした
「お前のだよ 俺は」
その一言で
胸の中のモヤモヤが一瞬で溶けていった
(ほんとに…この人だけ)
ーーー