幼なじみに溺れました

集中できない



ーーー



 

ある日の放課後

 

テスト期間が近づいてきて
教室の空気もどこかピリピリしていた

 

凛もノートを見ながら必死に勉強していたけど
集中力が途切れがちだった

 

(もう…頭入んない…)

(無理…)

 

その横で凪は隣の席に座ったまま
暇そうに凛の様子を見ていた

 

「なあ」

 

「…なに」

 

「集中切れてる」

 

「うるさい…」

 

「わかんねえとこ 教えよっか?」

 

「いい…自分でやる…」

 

「意地張んな」

 

凪はノートを引き寄せて
スラスラと公式やポイントを書き直していく

 

「ここ こうやれば楽になる」

 

「……」

 

「お前さ、わかんねえ時すぐ顔に出るから可愛いよな」

 

「うるさいっ」

 

「ほんと正直で助かる」

 

じっと顔を覗き込まれる

その距離が近すぎてまた心臓が跳ねた

 

「…ちょ、近い…」

 

「別にいいだろ?彼氏だし」

 

「……」

 

凪はそのまま
凛の髪をそっと撫でる

 

「もっと頼れ」

 

「……」

 

「甘えていいんだからな?」

 

凛はそっと目を伏せたまま
小さく呟く

 

「…甘えてるもん…」

 

「足りねえ」

 

「もう…!」

 

凪はニヤッと笑ったまま
さらに距離を詰めた

 

「お前が全部俺に溺れるまで甘やかしてやるよ」

 

その低い声に
また心臓が完全に跳ね上がる

 

(ほんとに…この人ずるい…)

(でも…)

(幸せすぎてもう無理…)

 

ーーー

 
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