幼なじみに溺れました
はじめてのわがまま
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テストも無事終わり
久しぶりに穏やかな放課後
凪と凛は学校近くの公園のベンチで並んで座っていた
ゆるい風が吹いて
木々の葉が揺れる静かな時間
凛は自分の足元を見つめながら
ずっとドキドキしていた
(今日こそ…)
(ちゃんと…甘えてみたい…)
(凪にもっと…わがまま言ってみたい…)
でも喉が詰まってなかなか言葉が出ない
そんな凛の様子を察して
凪がゆるく笑った
「なんだよ」
「…べ、別に」
「絶対何かある顔してんじゃん」
「ないもん…!」
「嘘下手」
凪はそのまま体を少し捻って
凛の顔を正面から覗き込んだ
「言ってみ?」
「…」
「わがまま 言えよ」
その言葉に背中を押されるように
凛は小さく唇を噛んだあと
ゆっくりと口を開いた
「……もっと…」
「…ん?」
「もっと…いっぱい…ぎゅーってして…」
その瞬間
凪の目が一瞬だけ驚いたように開かれた
でもすぐに
優しく、甘く、低く囁く
「可愛すぎ」
「……!」
凪はそのまま
ゆっくりと凛を腕の中に抱き寄せた
背中を強く支えながら
「ほら、こう?」
「…うん…」
「苦しいくらいが好きなんだろ?」
「…好き…」
「んだろ」
凛は凪の胸に顔を埋めたまま
小さく呟く
「…もう…私…完全に…凪がいないとダメ…」
凪はその言葉を聞きながら
優しく髪を撫で続けた
「安心しろ」
「俺もだから」
「……」
「お前が俺に甘えてる限り 俺は全部守る」
「…ほんとに?」
「ほんとに」
そう囁かれるたびに
胸の奥がじんわり熱くなっていった
(ほんとに…ほんとに…)
(この人じゃなきゃダメなんだ)
ーーー