幼なじみに溺れました
聞いてない!!!!
ーーー
放課後の帰り道
家の前まで来た凛と凪
「ありがと凪
じゃあ…また明日」
そこでタイミングよく
玄関から母が顔を出した
「あ 凪くん もうきてくれたんだ!」
「こんにちは」
母は軽く微笑む
「あ 凛〜お母さんね?
急で悪いんだけど 今夜実家の方泊まってくるから!」
「はい?」
凛は思わず声が上ずる
「おばあちゃんが階段踏み外して足痛めてるみたいで…」
「でね? さすがに凛を一人にしておくのは心配だから…」
「………」
「凪くんにお願いしておいたの」
「は?」
振り返ると凪は当たり前の顔で軽く頷いた
「聞いてる」
「え? えええ!? ちょっと待って!」
「凪くんも『大丈夫ですよ』って言ってくれたから助かっちゃった」
「…勝手に…!?」
母は軽く肩をすくめて微笑む
「信頼してるわよ? 凪くんのこと」
(お母さん…公認超えてる…!!)
そのまま母は車に乗り込み
出発していった
残された凛はその場で固まっていた
「…え、ほんとに今日…?」
「今日」
「……」
「なに緊張してんの」
「し、してないし…!」
「嘘下手」
凪は自然に玄関を開けて入っていく
当たり前のように靴を脱いでリビングへ
「じゃ お邪魔します」
「……」
凛は完全にパニック気味だった
(…いや…え?)
(状況が整理できない…!!)
ーーー