アルト、花火を体験する【アルトレコード】
しばらくふたりで見ていたときだった。
「あれ、花火が上がらなくなったよ? 終わっちゃった?」
アルトが不安そうに言う。
煙で夜空が白くなって、もやもやしていた。
「煙が晴れるのを待ってるだけだよ。まだ終わってないから大丈夫」
「良かった」
アルトはほっとした笑みを見せ、私に言う。
「北斗、間に合うかな」
「間に合うといいね」
もう半分ほど花火が終わっている。
急ぎの仕事があったのだろうけど、アルトの悲し気な顔に切なくなる。
自分にも覚えがある。約束を、急な仕事でキャンセルされた悲しみ。大人になった今は親も悲しかったのだろうとわかるのだが、当時の自分は裏切られたようでただ悲しかった。
北斗さんはこちらには向かっているのだから、間に合うことを祈るばかりだ。
「ねえ、君」
「北斗さん!?」
私はハッと振り返った。
が、そこにいたのは見知らぬふたりの男性だった。
「ひとりなの? 俺らと一緒に見ない?」
にやにやと笑いながら言われ、私は顔をしかめた。顔が赤く、息が酒臭い。
「ひとりじゃないんで」
私はつんと顔をそらして断った。
酔っ払いのナンパなんて相手にしてられない。
「さっきからひとりでさみしそうだったじゃん」
「ひとりじゃない! ぼくがいるもん!」
端末から声がして、私は慌てた。
「あれ、花火が上がらなくなったよ? 終わっちゃった?」
アルトが不安そうに言う。
煙で夜空が白くなって、もやもやしていた。
「煙が晴れるのを待ってるだけだよ。まだ終わってないから大丈夫」
「良かった」
アルトはほっとした笑みを見せ、私に言う。
「北斗、間に合うかな」
「間に合うといいね」
もう半分ほど花火が終わっている。
急ぎの仕事があったのだろうけど、アルトの悲し気な顔に切なくなる。
自分にも覚えがある。約束を、急な仕事でキャンセルされた悲しみ。大人になった今は親も悲しかったのだろうとわかるのだが、当時の自分は裏切られたようでただ悲しかった。
北斗さんはこちらには向かっているのだから、間に合うことを祈るばかりだ。
「ねえ、君」
「北斗さん!?」
私はハッと振り返った。
が、そこにいたのは見知らぬふたりの男性だった。
「ひとりなの? 俺らと一緒に見ない?」
にやにやと笑いながら言われ、私は顔をしかめた。顔が赤く、息が酒臭い。
「ひとりじゃないんで」
私はつんと顔をそらして断った。
酔っ払いのナンパなんて相手にしてられない。
「さっきからひとりでさみしそうだったじゃん」
「ひとりじゃない! ぼくがいるもん!」
端末から声がして、私は慌てた。