溺愛の業火

(アンケ)S系溺愛男子:side清水

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俺達が付き合っている事実に満足して、ここに君がいるだけで癒されていたはずなのに。

「キス、……したい。」

君の言葉が嬉しいのに。
いつか失うかもしれないという不安を煽っていく。

大事にしたくて遠慮気味だった距離を、強く抱き寄せて縮めた。
胸がいっぱいで、苦しいのに満たされる。

「求めてもいいかな。」

応えてくれるだろうか。
額に口づけ、目元や頬に滑るような愛撫。

視線を合わせ、閉じ気味になっていく目。
唇を軽く重ね、角度を変えて強く押し付けた。

柔らかい。
息は熱くて、自分か君のものなのかも分からない。

口を離して目を開け、視界に入る君の姿に思考は消えた。
閉じていた君の目が伏せ気味に開いて、視線は漂う様に俺を探す。
そして見つけた君は頬を染めて、俺に微笑んだ。

全てが許されているんだと思えるような錯覚。

大事にしたいのに。
急かされるような衝動。

駄目だ。この細くて柔らかい身体を、壊してしまうかもしれない。
抑えなければ。嫌われる。


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