溺愛の業火
分かっていても、自分の感情なんかコントロールできない。
「あいつの事が気になる?俺は、あいつが君に何を言ったのか……その方が気になるよ。」
逃げ腰になる彼女の手を捕らえ、視線を逸らそうとする顔を止めようと、首元に手を当てて滑らせていく。
「一颯くん、まだ教室には人がいるから。」
遠慮気味な抵抗は、俺の気持ちに対する配慮もあるかもしれない。
だけど。
「君は周りをいつも気にするよね、俺は二の次?」
子ども染みた我儘。
そんな情けなさも消える。醜い感情。
嫌われるのが怖いくせに。
君が俺を好きなのを知っている。
それは、どこまで?
俺の愛情を受け入れてくれて、君も俺を望んでくれているのか。
知りたい。
甘えて欲しい。
もっと貪欲になる。
それなのに。
俺達の関係を、たった一言が覆すなんて。
「悔しい。」
分かっているんだ。
頭では。
君は優しいから俺を許してくれるよね?