溺愛の業火

自分の位置からは、下着が見えているのか分からず、ただ一颯くんの行動に頭が混乱してくる。

「駄目、教室では嫌だって言ったじゃない。」

涙目で視界が霞む。

「噛んで、痕を付けるって言っただろ?」

もう手を噛んで、満足したんじゃないの?
歯形は付いたよ、絶対。まだ痛いんだから。

彼は私に流し目で、視線を逸らしていく。
その行動に、目は見開いたまま。

「嫌……」

小さな声が掻き消えるような一瞬。
浮いた私の足に口を付けて、ペロリ。

「美味。」

どう解釈したら、こんな暴走を?
冷めていた熱が急上昇する。

彼の熱い息。
手に感じた痛みに加わる甘い感覚。

歯が食い込むのに。
もどかしいような身悶え。

確かに壊れないとは言ったよ。
だけど。

「和叶、ごめん。……ふっ。くすくす……君は俺のだよ、逃がさない。」

あなたの独占するような愛情は甘いから、もう逃げない。
満たされるような幸福感に溺れて……





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