溺愛の業火
図書委員から鍵を預かった彼女が、独りになる頃合いを見計らい。
俺に本命がいると気付く人もいるくらいだから、十分に警戒。
最近、ある図書委員が彼女に想いを寄せていたのに気づいて、ソイツには自分の想いを明かした。
彼の口の堅さが信用出来なければ、俺はどうしていただろうか。
いつもは本を読んでいる彼女が、机に教科書を広げて勉強をしている。
そう言えばテストが近いけれど。準備が早いな。
俺の気配に彼女が手を止めたのは一時。
俺は彼女の前の席に座って見つめる。
「俺はテスト勉強しても答えが合っているのか分からない。点も取れないし、やる気がでねぇ。」
小さな俺の声に、珍しく顔を上げた彼女と目が合った。
「正解すれば、ご褒美をあげましょうか?少しは、やる気が出るかも。」
相手にしてくれたのが嬉しくて。
「じゃぁ、キス。」
ありえないような提案を言ってみる。
当然、答えは。