溺愛の業火
二人の間に乱入し、正論を述べて邪魔して、かき回した。
醜い八つ当たりだ。
そんな俺に、理解を示す清水と篠崎。
自分が情けなくて、このまま消えてしまいたい。
「……ごめん、八つ当たりした。」
謝る俺に対して、清水の雰囲気が和らぐ。
「ふ。ドロ沼。」
いつもより遠慮気味な追い打ち。
許されたようで、心が少し軽くなった。
「好きなのにな。彼女を周りから守るつもりだった。護っているんだと自己満足して、結局は追い詰めたのが俺だよ。」
今の気持ちを吐露して、頭の整理が出来たように思える。
そんな俺に、ため息まじりで清水は呟く。
「仲直りだな。」
照れのような気恥ずかしさで、誤魔化すように答える。
「それは、俺と?それとも篠崎と?」
視線を合わせ、清水は真剣な眼を向ける。
「お前は、誰に許してもらいたいの?」
核心を突かれたようで、苦笑を返す。
許してもらう相手が違う。
「俺、帰るな。清水は、まだ知らないだろ。俺が好きなのは伊東 暁乃だ。まぁ、明日には振られるし……忘れてくれ。」
言葉を探しても見つからなかったのか、清水は沈黙で見送る。