クズ彼氏の甘く危険な呪縛
でも、さっきまでの拒絶するような空気とは、少し違った。

レオくんがそっと手を伸ばして、小指だけを絡めてきた。
不意打ちみたいなその動作に、胸がふわりと熱を持つ。


「……ヨリ」

「……うん」

「離れるなよ」


囁くような声だった。

命令でも懇願でもなく――ただの本音みたいに聞こえた。
レオくんの心の声を聞いてるのかもしれない。そう思った。

私はうなずいた。自然に。
拒む理由なんてどこにもなかった。

絡められた小指に力が入る。
そうしないと、また離れてしまう。


「……わかった」


繋がれた体温があたたかい。

この指先だけは、嘘じゃない気がした。

離れないよ。

たとえどんなに苦しくても。

レオくんがそう言ってくれる限り。

こうやって私を繋ぎとめてくれる限り。

私は――

どこにも行かない。
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