クズ彼氏の甘く危険な呪縛
煙草をふかしながら、スマホを手に取る。
ロック画面には、前に撮ったヨリの写真。寝起きのせいでぐしゃぐしゃの髪、無防備な横顔。
それでもどこか儚く綺麗で。

このあと、写真を撮った俺に気づいて珍しく顔を真っ赤にして焦ってたな。

そんなことを思い出し、ふっ、と笑うと


「……ねえ」


隣でべたべたしてた女が、スマホの画面を覗き込んでくる。


「その子が本命?」

「んー?」


適当に返す俺に、女が甘えた声を出す。


「こんな地味な子、捨てちゃえば?レオ、かっこいいし、上手いし……。私が本命になってあげてもいいよ?」


息を吐きながら、気づけば口角が歪んでいた。こいつ、バカだな。


「いらね。俺、もういるんだよね。……カワイイ彼女」


そう言って、画面を女に向けて見せつける。
ロック画面とは違う。泣きそうな顔なのに我慢して、俺を見るヨリの写真。

俺の、ヨリ。

女が目を細めて、バカにしたように笑う。


「……こんな、子供っぽい子がいいの?」

「だからいいんだよ」


即答だった。
わかるわけねぇか。こいつに。
……わかってたまるか。ヨリは俺だけの”モノ”だ。
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