クズ彼氏の甘く危険な呪縛
3章

別れ話

「おかえり」

私が壊れる音がした。


「……レオ……どうして」


頭の中が真っ白になる。
口の中が乾いて気持ち悪い。
手足は痺れたように動かない。


「……ヨリ?」


怪訝そうな顔をしたレオが近づいてくる。
伸ばされた手がゆっくりと顔に伸ばされる。

いつもなら嬉しいその手が今は私を傷つけるようにしか見えなかった。


「いやっ!」


パシンッと、耳に刺さるような音。
私の手が、レオの手を払っていた。
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