クズ彼氏の甘く危険な呪縛

一瞬の沈黙が落ちて、レオの顔が強張る。……その表情が、まるで鏡に映したみたいに感じた。


「な、なに?てか、誰?」


聞き慣れない声に、反射的に顔を向けた。
奥から出てきたのは、レオの隣にいた子。
笑ってた。さっきまで、レオに触れてた手で髪をかきあげながら、
私を“邪魔者”みたいに見てた。

……ああ、そっか。これ、夢じゃないんだ。


「ねえ、ちょっとレオ?」

「……るせぇ」

「え?」


困惑したように細い指先がレオに触れる。触らないで、そう言葉にする前にレオはそれを払いのけて怒鳴った。


「うるせぇ、うるせぇうるせぇっ……!今すぐ出てけ!!」


びりびりと鼓膜が痺れる。
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