クズ彼氏の甘く危険な呪縛
「俺を見ろって……っ、なぁ”愛してる”が欲しいなら何度でも言ってやるよ。だから逃げんな……!」
「やだっ、いやだ!いらない、そんな言葉なんていらない!レオなんてもう知らない!」
「お前、何がしたいんだよ……!ヨリ、おい。いいから俺を見ろって……なぁ!」
「見たくない……!怖いの、もう全部!」
声が枯れるほど叫んだあと、諦めたように力を抜く。
散々な泣き顔を晒して、力無くレオと目を合わせる。
相変わらず頭の中はぐちゃぐちゃのまま、言葉なんてまとまらない。
それでも、今言うべきことはわかっていた。
「……もう、いや」
「……は?」
「レオのことわからないのも、苦しいのも、痛いのも……いやなの」
「……よ、り」
「レオ、私と別れて……っ。おねがい……おねがい、します……」