クズ彼氏の甘く危険な呪縛
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最初の夜は、適当に番号を漁って、昔のセフレの家に転がり込んだ。
「泊めてくんね?」なんて言えば、簡単に女はうなずいた。
一晩中ベッドの上で女を抱いていた。
……なのに心は、ヨリのことばかりで何も感じなかった。
目を閉じれば、泣き顔のヨリがちらつく。
「レオなんて嫌い」
その言葉が耳にこびりついて剥がれない。
「またね、いつでも来て」って女が笑ったとき、反射的に舌打ちをした。
ちがう、こんな甘ったるい声じゃない。
ヨリの声は、もっと、澄んでいて、細くて……。
「レオなんてもう知らない」
頭が痺れて、耳鳴りがする。
くそったれが。
その日から、違う女のところを転々とした。
でもどの部屋も寒かった。
匂いも、家具も、何もかもがヨリとは違う。
抱いても抱いても、コレじゃないって頭の中がうるせえ。
俺が、抱きたいのは……。
パチンコの帰り道、無意識にヨリのアパートの近くまで来ていることに気づいて、慌てて引き返した。
ヨリの姿は見えなかったけど、ここに帰りたいって声が聞こえた。
スマホの電源をつけては消して、何度もヨリから連絡が来ていないか確認する。
でも、来ない。来てない。
あいつ、本当に、俺のこと……?