月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
ときわが光清を励ましているところを見ると、この二人、お似合いな気がするんだけどな。

「じゃあ、朝まで王子様のベッド使って寝てたの?」

「それが……」

「何?」

「このまま寝たら、またこっちの世界に戻って来ちゃうから、ゲームしようと思ったんだよね。」

「異世界でゲーム!?それで?」

ときわはかろうじて付いてきてくれているが、光清は呆れて口を、ポカーンと開けている。

「それが、携帯を入れている制服、ラナーの部屋にあってさ。夜中こっそり取りに行っちゃった!」

そしてペロッと舌を出したけれど、二人の表情は変わらない。

「でね!その時にラナーの怪しい行動を目にしたの。おかしいと思って、ラナーについていったら、驚いたことに、ネシャートさんの病気の原因が、ラナーの淹れた飲み物だったのよ!」

私は興奮しながら話したのに、二人は全く驚かない。

「いや、俺は最初から、身内の犯行だと思ってたよ。」

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