月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ちょっと待って。」

光清が、話を止めた。

「スケスケの衣装!?紅葉が!?」

「うん。周りの人、みんな着てたよ。」

「そういう問題じゃないだろう!スケスケの衣装を着て、王子が通る廊下に並ぶって言うのは!」

「知ってるよ、光清。」

興奮する光清を宥めた。

「要するに、夜Hする相手に私を選んで下さいって言う意味でしょ?」

「!!」

ときわも光清も、ゴッホの叫びみたいな顔になっている。


「どうしよう。紅葉が大人になっている。」

「もしかして、もしかして‼紅葉は、その王子様に‼」

そう言った光清は、前屈みになって倒れた。

「いや。確かにジャラールさんの部屋に行ったけと、何もなかったよ。」

「ホントか?」

さっきまで倒れていた光清が、起き上がる。

「うん。ソファーで寝るって、部屋出てったし。」

その言葉に、光清は涙を拭く真似をした。

「よ、よかった〜」

「はいはい。よかったね、光清。」

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