月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「待て!」

後ろからその人達に追い付かれて、あっという間に捕まった。

「いや!やめて!」

最後の抵抗。

私これでも、男の人と付き合った事ないんだから!

こんなところで襲われて、一生に一度の経験を奪われるなんて、絶対嫌だ!

「落ち着け!」

「触らないで!」

「クレハ!俺だ!」

そう言われ、振り向くとそこには、懐かしい顔があった。

「しばらく離れていたせいで、俺の顔を忘れたのか?」

「あっ……」

「仕方ないか。寝ているクレハをそのままにして、異国の国へ旅だったのだからな。」

視界が涙で霞む。


会いたかった。

いつも会いたいと、願っていた。


「どうした?久しぶりの再会で、声も出せないか?」


恋しくて恋しくて。

二度と会えないと思う度に、心が痛んだその人。


「……ジャラールさんっ!」

思わず駱駝の上から、抱きついた。

「うわっ!」

「ジャラールさんっ!ジャラールさんっ‼」

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