月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「クレハ?」

思いがけない再会に、ジャラールさんは困惑している。

「ったく。変わっていませんね、あなたは。」

声のする方へ顔を向けると、そこにも懐かしい顔が。

「あれほどジャラール様には近づかないようにと……」

「ハーキムさんっ!」

ジャラールさんから離れて、今度はハーキムさんに抱きついた。

「うわっ!こらっ!」

「ハーキムさん!お久しぶり!」

嬉しくてぎゅうっと抱き締めたら、ハーキムさんは顔が真っ赤になっていた。

「まあ……知らない間ではないので、今回は許しましょう。」

コホッコホッと咳き込むハーキムさんに、やっと二人に出会えたのだと、ほっとする。

「前にもこんな事があったな。」

「ありました、ありました。」

ジャラールさんもハーキムさんも、思いだし笑いをしている。

「クレハに初めて会った時だ。君は今と同じように砂漠を一人でさ迷っていた。」

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