月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
そんな声が聞こえ、目が覚めた。

辺りは暗い。

「ジャラールさん?」

呼んでもシーンと、静まりかえっている。

「ハーキムさん?」

ハーキムさんもいない。

少し動くと、身体が宙に浮いた。


えっ?

そしてその後、ドスンッと音と共に、私の体に鈍い痛みが走った。

「痛い!」

うずくまっていると、ドアが開く音がした。

電気がつき、部屋が明るくなった。

「どうしたの?何があったの?」

母親の声がした。

「お母さん?」

「はい?」

明るくなった辺りを見回すと、そこは私の部屋。


「……帰って、来ちゃった。」

なんてあっけない。

「まだ、帰ってくる時じゃなかったの?」

母親にそう言われ、私はカバッと起き上がった。

「そうだよ!まだ、ジャラールさんに大事な事言ってないよ!」

私は急いで、自分のベッドの中に潜った。

今なら間に合う!

早く寝なきゃ。

早く寝なきゃ!

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