月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「あら。食べてすぐ横になるのは、体に良くないわよ。」

母親が心配そうに、引き留める。

「まあまあ、お母さん。早く彼のところへ行きたいんだろ。」

父親の口から、彼と言うワードが出てくるなんて。

聞いてるこっちが、恥ずかしい。

「それもそうね。彼によろしくね。」

「ははは……」

苦笑いで自分の部屋に向かい、ベッドにダイブした。

このまま眠って、早く二人のいる場所へ、戻らなければ。


その後、横になってみたり、布団の中に入ったりしたけれど、寝付けない。

「はあ~眠れない。」

しばらくして、私はお風呂に入っていないことに気づいた。

「お風呂、は~いろ。」

布団から飛び出し、そそくさとバスルームに行く。

脱衣所で服を脱いでいると、急にお風呂のドアが開いた。

「うわあああ!」

急いで前を隠すと、出てきたのは弟だった。

「あっ、姉ちゃん。風呂?俺、今出たから入ってもいいよ。」

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