月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
そう言った弟は、体を拭いたバスタオルで、髪を拭き始めた。

はっきり言って、見えている。

弟の身体が。

「あ、あ、あんたね!お風呂に入ってるんだったら、脱衣所に鍵くらいしなさいよ!」

「別に~。見られて恥ずかしいモノなんてないし。」

そう言う弟の身体は、運動部で鍛えているお陰か、程よく筋肉がしまっている。

「ちょっと、早く何か着なさいよ。いつまでもそんなモノ見せないで。」

「そんなモノとは何だよ。自分の身体の方が、よっぽどそんなモノじゃねえか。」

「どこ見てんのよ‼」

「好きで見てんじゃねえよ!隠してる服からはみ出てんだよ!無駄な贅肉が!」

「言ったわね!」

私は側にあったバスタオルで、弟を叩いた。

「早く出て行きなさいよ!」

「痛い!暴力女!」

弟はバスタオル一枚という格好で、脱衣所を追い出された。

「ったく。あいつは羞恥心が欠けてるよ。」

シャワーで体と髪を洗った後、私はバスタブに浸かった。

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