月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
投げられた布は、丁度私の頭の上に落ちた。

手に取るとその布は、ジャラールさんの匂いがした。

「ありがとう……ございます……」

「いや。こちらこそ申し訳ない。女性が水浴びをしているところに近づくなど、男として以ての外だった。」

ジャラールさんの匂いに包まれながら、私の胸はキュンと締め付けられた。

いつもは白い服を着ているジャラールさんが、引き締まった体を露にしている。

ターバンで覆われた艶やかな長い黒髪は、一つに編まれていて、それが余計にセクシーに見える。

しかも弟曰く、無駄な贅肉だらけの身体を持つ私を、一人の女性として扱ってくれて。

ああ、ジャラールさん。

私このままジャラールさんと、何処かに逃げてしまいたい!


「ジャラール様!クレハの姿が……あれ?」

続いて現れたのは、案の定ハーキムさんだった。

「起きてたのですか?クレハ。」

「その前に言うことがあるでしょ‼」

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