月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
人が裸で立っていると言うのに、なぜこいつは堂々と話しかけてくるのさ。

「ったく。よくその身体で、ジャラール様を誘惑しようと思ったな。」

私の胸に、何かが突き刺さる。

「その布はジャラール様の物だろ。早く池からあがってジャラール様にお返ししろ。」

弟とは違ったまた冷たい態度に、私は泣きそうになって、ジャラールさんから借りた布を、ぎゅっと掴んだ。

「ハーキム、それくらいにしろ。クレハはまだ少女でも女性だぞ。」

するとハーキムさん、今度は大きなため息をついた。


ひどい!

確かに私はスタイルが悪いわよ!

あんた達みたいに、ガリガリに痩せてないわよ!

でもね!

少しぐらい肉が付いていた方が、女はカワイイんだから!


心で叫び終わったのと同時に、私の背中から何かが掛けられた。

「えっ?」

振り返るとそこには、上半身裸のハーキムさんが。

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